幼稚園のころ、「雨が降ると、あじさいは花の色が変わるんだよ」と言われ、雨が降るのが待ちきれなくて、自分よりも背の高いあじさいに向かって、手ですくって水をばしゃばしゃとかけていたことがある。なかなか花に水が届かなくて、最後は何かの容器に水を満たして、容器ごと花に向かって投げたけど、うまく水がかかるはずもなくて、水の入った容器ごと柵の向こうに飛んで消えていった。自分の無力感になんとも言えない気持ちになりながら、おとなしく教室に戻っていった記憶がある。
そんなことを思い出して、今になって調べてみたら、あじさいは土壌の酸性度によって花の色が決まるらしく、あじさいの花弁に水がかかったからといって、色が変わることはないとのことであった。だから、あのとき、上手く花に水がかかっていても、花の色が変わることはなかったらしい。

下の写真は、山形市村木沢にある出塩文殊堂という古刹の表参道。あじさいのトンネルが続くことから「あじさい寺」とも呼ばれている。あじさいの咲き乱れる参道は500メートル以上もあるから、ひとりで歩いていると、まるでジブリ作品に出てきそうな世界に入り込んでいく気分になる。

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